今日は、ある会社の方からインタビューをして頂いたのですが、言葉では新しい編機と古い編機の違いを上手く説明させて頂く事が出来なかったので、
奈良県靴下組合が作った「靴下のできるまで!」を貼り付けさせて頂きました。
これは、昭和40年代に製造された日本製の編機で生産しているところです。
今でも、多くの工場でこの編機が現役で使われているんです。
靴下の長さや部分的な編機への指示は、チェーンの長さと形で行い、編機の真ん中にあるドラムで柄や編み方を変えるので、職人の微妙な調整が必要で、柄や商品を変更するのも大変な作業でした。
そして、下の動画をご覧頂けると分かると思うのですが、履ける状態になるまでに、4行程の人の手間も掛かっていました。
弊社の奈良工場も2011年の開設当初は、このタイプの編機ばかりでした。
確かにこれぞメイドインジャパン!と言う味のある良い靴下が出来るんです。
ただこのタイプの編機を扱える技術者の方は、年配の方が多く一時三笠奈良工場の技術者4人が全て70歳以降のベテラン揃いになった事がありました。
皆さんベテランの腕に自信のある方でしたので、技術者同士の意見の相違が多くぶつかってばかりでした。
数年先を考えた時にこのままでは、工場を継続させるのが難しくなると思い、PCでの柄変更データを作成してUSBで編機にインプットする最新の編機に買い替えをしようと決意をしました。
丸編機に関しては、この下の動画にあるタイプの履ける状態で編機から出てくる最新タイプに今年度中には全て入れ替えを完了させます。
それでも、基本的な編機の技術は当然必要で、実戦での勉強しなくてはならないのですが、新しい編機になった事により工場内も明るくて綺麗になり、PCによるデータ入力もあるので、技術者の年齢も若返り若手の技術者希望も増えたんです。
現在三笠奈良工場には、13人(パッケージ加工と検品は西日本営業所)ですが、なんと4人が24歳!(工場内は3名事務1名)なんです。
工場を見学にいらしたお客様には、こんな若い人が多い靴下工場は珍しいよく言われます。
もうすぐ、中国の旧正月ですが、上海スタッフ曰く、今年はコロナの影響もあり早めに旧正月休みに入る工場が多く、恐らく工員さんの戻りも遅いとの事です。
今でも、この旧正月の故郷に帰る習慣は仕事が忙しい事よりもなによりも大切で、約1か月も休みになる事が多く中国工場経営者の悩みの種なんです。
この旧正月前後の1か月は今でも大切な生産計画良く分からなくなり、おまけに旧正月明けに工員さんが戻らないで転職する事も多いんです。
これが、中国の工場に熟練した技術者は育たない原因の一つだと思います。
20年以上中国と日本を毎月行き来して色々な工場を見て感じたのですが、中国は日本人が指導をすれば、そこそこの商品を大量に作る事には日本よりも上手ですが、日本人の様に良い物を開発してお客様に喜んでもらおうと言う工場には今までに出会った事がありません。
チャイナプラスワンが騒がれ始めて、ベトナムやバングラデシュも見ましたが、原点に戻り、これからは、ものづくりに真面目な日本が生き残れると思いました。
これが、日本に工場を作って若い技術者の人材を育てようと思ったきっかけです。