新工場も建物の引き渡しを終え、少しずつ「三笠の新しい工場」らしい姿になってきました。
こうして改めて外から眺めてみると、ここまで来るのに本当に長い道のりだったと感じます。
しかし、立派な建物や最新の機械を揃えることが、私たちの目的ではありません。
ここから何を生み出していくのか。 それが一番大切だと思っています。 奈良県は、長い歴史を持つ靴下の産地です。
一方で、国内の靴下産業を取り巻く環境は決して楽ではなく、海外製品との価格競争や、職人の高齢化、後継者不足など、さまざまな課題があります。
だからこそ三笠は、この奈良の地で、もう一度「日本で靴下をつくる価値」を高めていきたいと思っています。
新工場には、イタリア・ロナティ社の編機をはじめ、島精機製作所のホールガーメントなど、新しい設備や技術を積極的に導入しています。
ただ大量につくるのではなく、 「三笠だからつくれる靴下」 「奈良だから生み出せる靴下」 を、もっと増やしていきたい。
機能性、履き心地、デザイン、そして新しい編み方。 これまでの靴下という枠にとらわれず、医療やスポーツなどの分野にも挑戦し、靴下づくりの可能性を広げていきたいと思っています。
そして、この工場は単なる生産拠点ではありません。
靴下がどのようにつくられているのかを見て、触れて、体験していただける場所にしていきます。
子どもたちが綿花を育て、その綿が糸になり、やがて一足の靴下になる。 そんなものづくりの面白さも、この場所から伝えていきたいと思っています。
「奈良には、こんな靴下メーカーがある。」 そう全国の皆さんに知っていただき、いつの日か海外からも、この工場を見に来ていただけるような会社になることが目標です。
創業から64年。 三笠にとって、この新工場はゴールではなく、新しいスタートです。
奈良から、日本へ。 そして奈良から、世界へ。 靴下づくりの未来に、これからも本気で挑戦していきます。

そして今日は、もう一つ新しいスタートについて。 上海三笠の引越しの日程が、8月25日に決まりました。
上海三笠を設立したのは2006年12月。 今年でちょうど20年を迎えます。 振り返れば、何も分からないところから中国へ進出し、言葉や商習慣の違いに戸惑いながら、本当に色々なことを経験してきました。
決して順調なことばかりではありませんでしたが、この20年間の経験と、中国で出会った多くの方々とのご縁は、現在の三笠にとって大きな財産になっています。
そして20年という節目の年に、上海三笠も新しい場所へ移転し、新たな一歩を踏み出すことになりました。
ちょうど奈良では新工場が完成し、これから本格的な稼働に向けて動き始めています。
奈良と上海。
場所も役割も違いますが、偶然にも同じタイミングで新しいスタートを迎えることになりました。
奈良では、日本のものづくりの技術をさらに磨くこと。 上海では、これまで培ってきた経験を生かし、中国、そして海外へ三笠の商品を広げていくこと。
この二つをしっかりとつなぎながら、次の10年、20年に向けて、三笠もさらに進化していきたいと思っています。
創業64年、上海進出20年。 これまで積み重ねてきたものを大切にしながら、奈良も上海も、ここからまた新たなスタートです。
Facebookでシェア