今日は、まずこちらの動画をご覧ください。
一見すると、「何をしているのだろう?」と思われるかもしれません。
実はこれ、柄物の5本指靴下を作るための、とても重要な工程なんです。
横編み機で編んだ5本の指部分と、丸編み機で編む柄の靴下の本体部分。
この二つをつなぎ合わせるために、なんと120もの編み目を、一目一目、人の手で差し込んでいきます。
動画をご覧いただくと分かると思いますが、とにかく細かい! 一目でも間違えればきれいにつながりませんし、誰でもすぐにできる仕事ではありません。
熟練した技術と集中力、そして何より「人の手」が必要な工程です。
これまで株式会社三笠では、こうした工程を含む5本指靴下の生産を中国で行ってきました。
ところが、中国の製造現場も大きく変化しています。
私が中国で靴下の生産に携わるようになった頃と比べても、人件費は大幅に上昇しました。
そして今では、日本と同じように工員不足も大きな問題になっています。
特に、動画のような細かな作業を習得し、長く続けてくれる人材を確保することは、年々難しくなってきました。
「このまま海外の人手に頼ったものづくりを続けていて、本当に大丈夫なのだろうか?」
そんな危機感を以前から持っていました。
そこで今回、新奈良工場の建設にあたり大きなテーマとして掲げたのが、**中国で行ってきた生産を日本へ戻す「国内回帰」**です。
今回の新奈良工場は、国の**事業再構築補助金「サプライチェーン強靱化枠」**に採択いただきました。
まさに、この5本指靴下のように海外の人手に依存してきた生産を、最新技術によって日本国内へ戻し、安定した供給体制をつくることが大きな目的の一つです。
その国内回帰を実現するために導入するのが、イタリアの世界的な靴下編機メーカー、ロナティ社の最新鋭編機と自動リンキングシステムです。
これまで横編みと丸編みで別々に作り、最後は人の手で120目をつないでいた5本指靴下。
それを最新技術によって、丸編みで5本指靴下を作ることができるようになります。
私が目指しているのは、単に「人件費が上がったから中国から日本へ戻す」ということではありません。
人手に依存していたものづくりを、最新設備と日本の技術力を組み合わせることで、新しいものづくりへ進化させる。
そして、海外で作っていた商品をもう一度奈良で作る。 「Made in Japan」「Made in Nara」の靴下を、これまで以上に増やしていきたいと思っています。
中国生産から日本生産へ。
新奈良工場は、三笠にとって単なる工場の移転や拡張ではありません。
これからの日本の靴下づくりを見据えた、国内回帰への新しい挑戦でもあるのです。
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